No43「思考、論理、分析」
「思考、論理、分析」波頭亮を読みました。
今回はその中でも思考の章についてのまとめを書きます。
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〜目次〜
1. 思考とは
2. 思考のプロセス
→情報の整理と想起、特定
→情報収集
3. 正しく分けるためには
→ディメンションの統一
→クライテリアの設定
→MECEである
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1. 思考とは
思考とは「思考者が疑問に対して情報と知識を加工すること」です。
例えば目の前に「低いうなり声をあげている、黒い軽自動車ほどの大きさの毛むくじゃらの生き物」がいたとしたら、反射的に、「この生物は何か?」「逃げた方がいいのではないか?」「この動物はこんなところで何をしているのか?」などの疑問が生まれると思います。その疑問に対して回答しよう頭の中で経るプロセスが思考です。
2. 思考のプロセス
①情報の整理と想起、特定
では前述のような状況で「この生物は何か」という問いについて答える際のプロセスについて考えてみます。まずは情報を整理することから始めるはずです。
・低いうなり声をあげている
・黒い毛むくじゃらの生き物
・軽自動車ほどの大きさ
この3点に当てはまる生物を想起し、特定することが思考の過程です。
ただ上記の3点だけではこの生物がバッファローなのか、ヒグマなのかわからないでしょう。
②情報収集
この場合に行うのが情報収集です。この生き物に角はついているのか、この生き物に爪はあるのかを調べます。もしこの生物に爪があり、ヒグマだとわかれば、逃げた方がいいのか、それとも動かないでじっとしていた方がいいのか、を思考するでしょう。情報には2種類あり、もともと思考者が頭の中に持っていた知識と、周囲に働きかけて収集した情報があります。ここで言えば、これはヒグマは爪を持っている、バッファローは角を持っているは思考者が頭の中に持っていた知識であり、黒い軽自動車ほどもある毛むくじゃらの生物に爪がある、というのは周囲に働きかけて収集した情報です。この2種類の情報を加工し、疑問に対する回答を得ていくこと、これが思考です。
■思考の本質
先ほど紹介したように思考の過程は
①情報の整理、想起、特定
②情報収集
の二つのプロセスがありますが、このプロセスの本質とは、「同じか違うかに分ける」ことです。熊の要素を分解(爪を持っている、黒い毛で覆われている、軽自動車ほどの大きさ)し、要素ごとにあっているか違っているかチェックし、全て違っていれば熊、そうでなければ熊でない、というように判断しています。つまり「各要素が同じか違うかに分け尽くされた状態である」が思考のアウトプットであるということです。そう考えると、論理的思考といってもそんなに難しいわけではなさそうですね。。。
3. 正しく分けるためには
分けるといっても正しい分け方とそうでない分け方があります。
正しい分け方には
①ディメンションが同じである
②クライテリアが揃っている
③MECEである
の3つの条件を満たさなければなりません。
①ディメンションが同じである
ディメンションとは粒度です。例えば、「野菜とりんごどちらが好きか」という問いはディメンションが同じではありません。正しくはりんごではなく、果物に変えるか、野菜をより具体的な野菜(ほうれん草、ブロッコリーなど)に変える必要があります。
複雑な問いを検討する際には物事の関係性が複雑なため、ディメンションを揃えることが重要です。
②クライテリアの設定
クライテリアとは分類基準のことです。問いに答えるためには
・クライテリアごとの正しい分類
・正しいクライテリアの設定
の二つが重要です。
・クライテリアごとの正しい分類
例えば食べ物を分類しようとすれば、料理の種類ごとの分類(中華料理、日本料理、フランス料理、イタリア料理)、食べ物の種類ごとの分類(果物、お菓子、野菜、肉、魚
)、食事の中での役割(主食、副食、デザート)などのクライテリアがあります。問いによってクライテリアを使い分けることで、明確な回答を得ることができます。
・問いと連携した正しいクライテリアの設定
しかしクライテリアはどんなものを設定してもいいというわけではありません。問いに回答できるようなクライテリアを設定しなければ意味がありません。
例えば和食に飽きた人が何を食べようか考えている場合、食べ物の種類ごとのクライテリア(魚か、肉か、果物か、野菜か)の中を探しても答えはでません。この場合選ぶべきは料理の種類ごとの分類でしょう。
問いと連携した正しいクライテリアの設定は回答の質に密接に関わってきます。クライテリアは問いによって無限に設定できるので、自分の中でクライテリアの引き出しを増やすことが重要です。
③MECEである
MECEとは漏れがなく、ダブりがない状態です。例えば人間をMECEで分けるとすれば、男性と女性、で漏れがなく、ダブりがありません。