NO. 19「思考の整理学」
思考の整理学 1985年、ちくま書房、外山滋比古 著を読みました。
アイディアが出てくる環境というテーマで様々な事例を取り上げています。
例えば、発酵する事の重要性です。
いいなと思ったアイディアを1日置いた後にもう一度眺めてみる。そうするとそのアイディアが実は大した事がないなと感じる事も多いそうです。1日置いた後でもいいアイディアだなと思えるものには形になるような比較的有用なアイディアが多いそう。この1日寝かせる事を発酵させると表現しています。
他にも関心事とは関係のないことをしている時に関心事に関するアイディアが思い浮かんだり、思いついたアイディアをノートにまとめることの重要性を論じていました。
中でも特に印象に残ったことは、知ることについての記述です。
知ることとは三つのパターンに分けられるそう。
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1、すでに知っていることを学ぶ
2、 まだ知らないことを学ぶ
3、 全く知らない世界のことを学ぶ
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1のパターンと2、3のパターンを区別することは難しいです。例えば、物語を読んでいたとして、すでに知っていることの中に、今は知らないことが混ざっている場合があります。随筆などでもそうでしょう。人の話も言っていることがわからない時とわかる時とありますよね。そんな時に私たちはどうするか。
「“解釈”によってどこまで既知の延長線上の未知がわかるものか。その先に想像力と直観の飛翔によってのみとらえられる発見の意味があるのか」
このように自分なりに未知の領域について理解を深めようとするそう。
例えばピザを回して楽しんでいる男の話があったとしましょう。
あなたはピザを回す男をどう捉えますか。
人に頼まれたピザをくるくる回すなんて失礼なやつだと思いますか。
それともおいしそうなピザだぁと思いますか。
それともうまくピザを回すな。綺麗だな。
と思いますか。
人によって物事の解釈はそれぞれです。そしてこの解釈のぶつかりあいが思考のぶつかりあいであり、より良いものを生み出す過程であるのです。