No12 「フォークの歯はなぜ4本になったのか」
「フォークの歯はなぜ4本になったのか」 実用品の進化論 1995年発行
the evolution of useful things 、Henry Petroski著の日本語訳です。
※ちなみにこの記事を見て、次はどの本を読もうかなとか決めてます。
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この本では「形は機能に従う」のではなく、「形は失敗に従う」と主張しています。
多くのもののデザインの基本はあるものの使いにくさの改善を目的にしています。
例えば、フォークの歯が4本になった理由はナイフを使って肉を食べる時に、4本が最も肉を固定しやすいからです。当初はフォークの歯は2本でしたが、ナイフを縦に動かしながら切る時に、肉の位置がずれてしまいます。そしてフォークの歯の太さを調節したり、本数を変えながら最も切りやすい形を追求した結果、現在のようなフォークの形になったのです。ちなみにフォークの歯が曲がっている理由はまっすぐだと、肉を口に入れる時に肉がこぼれ落ちてしまうからです。
もちろん、ある事柄を達成するための方法は一つでありません。例えば、あるスプーンには淵にギザギザが付いています。きっと肉を切る時に使われていたのでしょう。
このようなものの進化の過程を日用品、例えばファスナーやビールの缶、マクドナルドの包み紙などを取り上げながら説明しています。ナイフやフォークのように食べ物を食べるという目的が強くその形に反映されているものもあります。一方でかっこいいものかどうか、環境に配慮したものか、伝統的なルールを守っているものか、など「食べる」という目的に関係のない事柄が形に強く反映されているものもあります。一方、このようなことがらは社会規範を守るとか、デザインを良くすることで売り上げを伸ばすなど「食べる」という目的以外の達成のために行われています。
何かを達成するために道具が作られ、それをいかに達成するかは様々であり、目的に関係のない事柄が形に影響を及ぼすこともあります。そのため同じ目的を達成するための様々な道具が生まれてきました。
スプーン一つとってもその違いを比べてみれば、そのスプーンが何を目的に作られているのか、微妙な違いに気づけるのかもしれません。
もしお読みになった方がいましたら是非コメントしてください〜