読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

No books, No life

最近読んだ本のレビューをしています

No.11「日本人の経済観念」〜 歴史に見る異端と普遍

「日本人の経済観念」歴史に見る異端と普遍 武田晴人著を読みました。

 

この本は日本人は勤勉だというステレオタイプへの一つの反抗を歴史的な事実に基づいて主張しています。

例えば、イギリス人が日本人の仕事の乱雑さについて指摘した明治初期の文献も残っています。またお客様と信頼関係を築きものを売買していた商人や、お客様から依頼されてものを作っていた職人は勤勉に働いているわけではなかったようです。

このころのものの買い方は客の前に全ての商品が陳列されているわけではなく、店員に自分の欲しいものを伝え、店員がそれに近いものを倉庫から持ってくるというものでした。つまり、その人のところに行けば自分の欲しいものを持ってきてくれるという信頼関係で商売が成り立っていたわけです。一方、全ての商品が見えているわけではありませんから、店員、つまり商人の側からすれば価格に見合うものを商人が選んで持っていくことができます。ここに商人のお金の稼ぎドコロがあります。

 

職人もお客様から依頼されたものを期日までに作ればお金がもらえたので、働く時間も作るものも職人の好みで決めることができました。このような傾向は私たちが想像する勤勉とは違ったものであると思います。

 

信頼関係に基づいた商売は戦後の企業の経済活動にも共通して見られる性質です。

この信頼関係とは企業同士が自分たちの利益だけを主張するのではなく、違いの利益を実現するために行動するということです。だから企業がその利益を話し合うためにカルテルや談合を行うことは極めて合理的なことであったのです。

 

このように日本の経済の歴史には信頼関係に基づいた取引があり、互いの利益の尊重は日本人にサボる余裕を与えていたことがわかります。

あまりうまく伝えることができていませんが、詳しくは是非ご覧になって確認してください!