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No books, No life

最近読んだ本のレビューをしています

No.9「脳はなぜ心を作ったのか」

人体構造

脳はなぜ心を作ったのかを読みました。

慶應義塾大学大学院システムデザイン学科教授の前野隆司さんが書いた本です。

 

この本は大きく分けて四つのパートに分かれています。

まずは人の機能について、それから人を三つの要素に分けて説明し、心とは何かについて迫ります。最後にはロボットは人の心を持つことができるかについて論じ、将来の心の捉え方について論じます。

 

「心」とは何か、この点についての理論的な説明がこの本のハイライトでしょう。

 

この本の中では人の心とは極めて受動的な存在であるとされています。正確には心とはクオリアであり、自分の言動を連続的に自覚するものです。だから昨日の自分が今日の自分と同じであることを理解することができ、これが他の動物とは少し違った人間ならではの反応と言えます。

 

心が受動的な存在であるとは、人の細胞の反応を感じるものであるということです。例えばコップの水を飲むとしましょう。私たちは水を飲もうと思い、体を動かしています。しかし実験の結果によれば私たちが水を飲もうと思うよりも前に体の反応は始まっているのです。つまり、体の動き→心の動きの順番であり、心の動き→体の動きの順番ではないわけです。私たち人間は体の細胞の中の動きを自分が出した命令、つまり心の動き通りに動いていると錯覚しているにすぎなかったのです。

 

能動的に動いてきたはずの自分が受動的な存在であったと知らされると嫌になりますね。心についてもっと知りたいという方は是非。