「日本人の優しさは同情を含んでいると思う」
日本人の優しさは同情を含んでいると思う。
例えば、2週間、誰とも話さない子供がいたら日本の小学校の先生はどうするか。
学校の先生は他の子供たちに彼女or彼と友達になれ、というのではないでしょうか。
しかし、本人がこの状況をどう思っているのかは聞いてみないとわからない。
もしかしたらその子は自分一人でも楽しいのかもしれない。空想遊びをしたりなど。
もしくは彼なりに友達を作るためにの計画をしているのかもしれない。
もしくは彼は周りの子供が嫌いなのかもしれない。
本人が助けてほしいと思っていない限り、他の人が彼を助ける必要はないと思います。
日本人は人に気を使うばかり、人の世話をしすぎているのではないでしょうか。
小学生も中学生も高校生も、大学生も、両親に気にかけられ、やりたいこと、できないことはなんでもお父さんとお母さんに「しょうがないなぁ」と言われながらやってもらって育つ日本人。
この愛情の中には同情や過保護が含まれています。
しかし、これは本当にその子のためになっているのでしょうか?
子供がある程度の分別を身につける中学生までは親のサポートは必要であると思いますが、それ以降は必要ないと僕は思います。
カナダの子供たちは昼飯は自分で作るし、皿だって自分で洗う。クラスから孤立した生徒がいても、可愛そうだから彼/彼女と友達になってやれとは言わないでしょう。それでも単語のボキャブラリーを増やしたいといえば、単語帳を教えてくれるし、休み時間に授業でわからなかったことを聞きに行けば丁寧に教えてくれます。
つまり、やりたいことを主張すればサポートしてもらえる環境があるのです。
これが日本と海外の決定的な違いだと思います。
主体性。
この部分を履き違えてるところが日本の教育の良くないところだと思います。
もっと生徒が何をしたいのかを問いただすことに時間を使ってほしい。
そしてどうしたらいいのかを一緒に考える存在であってほしい。
そのために3ヶ月に1回、生徒と面談をすべきです。
3ヶ月前の前の目標をどれくらい達成できたか、将来どうなりたいか、3ヶ月後の目標は何か。
生徒が目標を達成する力をつけるための教育が必要だと思います。
NO.35「LIFESHIFT 100年時代の生存戦略」
LIFESHIFT 100年時代の生存戦略、リンダグラットン著、アンドリュースコット訳を読みました。
今の20代の人たちの寿命は100年と言われています。
その間にAIが発達し、今ある多くの職業がなくなり、ブロックチェーンの発達によって紙幣を介したお金のやり取りの仕組みが減り、CtoCマッチングビジネスが発達していき、雇用の形態が変わります。
私たちが受け取る給与はこれからもどんどん少なくなっていくでしょう。年々低くなっている私たちの年間所得は1990年代よりも20パーセント低いそうです。とはいえ自由にはたらく場所や時間を選び勤務する人が増えるという側面もあります。何より、長寿化によって長生きすることができます。
では、長生きをする私たちがどのように生きれば人生を満喫できるでしょうか。
そのために大事なものをあげ、それらをどのように獲得し、維持するかについて本書では書いています。
①お金
お金はご飯を食べたり、家を買ったり、友達と遊びに行ったりする時に必要です。
仕事がどんどんと変わる私たちは仕事を得るために自分のスキルを磨くために使う必要があります。また高齢化が進む先進国では、今のお年寄りが働いていた時代に比べ、お年寄りを支えるために働いている若い世代の負担額が増えます。つまり、必要なお金の量が増えているのです。100年生きると考えれば、
ではどうやってお金を増やすのか。二つの方法があります。一つは金融商品の活用です。例えば年利3%の金融商品に投資すれば23年間で投資した金額が2倍になります。22歳に100万円貯金しておけば、45歳になる頃には200万円になっているわけです。
二つめに結婚している家庭であれば共働きです。共働きなら単純計算で資産は2倍になります。子育てに関しては自分の親や地域で育てる仕組みを活用することを勧めています。
②人とのつながり
人とのつながりは仕事を探すのに役立ち、生きる活力になりえます。これを獲得するための方法は会社のイベント、地域の自治会、大学の同期との集まりに参加などがあります。定期的に学生時代に仲の良かった仲間と集まることも活力を高める有効な方法であり、コミュニティを維持するために必要なことです。仕事での時間的、精神的なプレッシャーが強まるだろう今後は仕事を行う為のエネルギーがさらに重要になります。
③スキル
自分にしかないできない仕事がなければ企業との交渉力は弱いです。そのため給与が安く、非正規での雇用になります。スキルは使わなければ落ちますし、新しいものを獲得しなければ仕事がなくなります。どのスキルを捨て、どのスキルを磨くのか、を見極めながらスキルの為に時間とお金を投資しなければなりません。
まとめ
給与が減る、金銭的な負担が増える、職を得るための競争が激しくなるといった予測の中、お金をやりくりしていくことは想像以上に難しいことだろうと感じました。とはいえ長生きできるし、2つ、3つの職が経験できるのは単純に面白そうだなと思いました。
我慢することは多くなりそうですが、人とのつながりを大切に、計画的に行動していきたいです。
No.34「編集」
編集、豊田きいち著を読みました。
私は文章を読むことが好きです。
本を読めば新たな発見があります。
リズムよく頭の中に入ってくればここちいいし、その場にいたかのようにハッキリと情景が伝わる文章も、難しいことをわかりやすく説明してくれる文章も、こんな風には考えなかった!という新しい視点を与えてくれる文章も、人それぞれに視点があるからこそ面白いんだろうなと思います。
この本は小学館の編集部長を務めた著者が考える、「編集という仕事とは何か」がテーマです。これから編集者になる人、なりたい人、文章が好きな人に向けてのメッセージが詰まっています。中でも自分に刺さったのは四つです。
- いい本当は売れる本である。売れる本とは解りやすい本である。
- 自分の言葉を持て
- こだわれ
- 連想力を働かせよ
①
解りやすい本が売れる。肝に銘じます。「あー、わかる、この本おもろいわ」っていう風に思わせます。
②
著者曰く、多少わかりにくくなっても、自分だけのいいまわしを持った方がいいそう。
自分独特の世界観を伝えられる人間になります。
③
文章全体を読んでいて感じました。とにかく、やると決めたらやりきる。いつでもアイデイアは転がっている。
④
相手がその雑誌を見たらどう思うのか、をかんがえよ、ということです。新聞の折り目の真ん中に、綺麗な女優さんの顔が載るような広告を出してはいけません。
感想
自分が働き始めてからまた読みたいなーと思いました。この本を読んだ時の気持ちを忘れず、人が相手であることを意識して仕事をします。
No.33「サラバ」
「サラバ」2014年、西加奈子著、を読みました。
西加奈子さんは、誕生から2歳までイラン・テヘラン、小学1年から5年までエジプト・カイロ、それ以降は大阪で育ちました。海外にいた頃は毎日のように自宅でパーティーが開催されたり、路地の屋台に丸ごと吊るしてある鶏や、路地裏に捨てられた悪臭を放つゴミの山など日本ではありえない、様々な光景と出会ったそうです。
このような生い立ちから養われたのか、感受性が非常に豊かです。
エッセイの「この話続けてもいいですか」にて、花屋の花を取る、みすぼらしいおばあちゃんに感動した話を読んだ時には、驚嘆しました。
加えて目の前に起きている現象だけでなく、その裏を見透かしてしまうほどの鋭い洞察力があります。
サラバを読んでいると、西加奈子さんの感受性と鋭い洞察力を感じずにはいられません。
自分の感情に素直に読めばこの本から何かを感じることができると思います。
胡散臭いレビューですが、(笑)一度は読んでみても損はないかと。
きっとあなたも西加奈子の世界観に見せられるはず。
No. 32「物欲のない世界」
No. 32「物欲のない世界」
物欲のない世界、菅村正信を読みました。
世界の消費の動向となぜそのような消費動向になっているのかを経済的要因から説明している本です。
最近は消費に意味を持たせる傾向にあるそうです。ものを持たない生活、人とのつながりを大切など、自分の価値観と一致するものに人はお金を使います。この傾向は若者だけでなく、大人、老人にも共通した傾向であるそう。
中でも人気なのはアメリカのポートランドのようライフスタイル。朝には地元のコーヒーショップに行き、昼間仕事をした後には仲間と海でサーフィンをする。
週末は家族との団欒の時間。
仲間や家族など人とのつながりを大切にする傾向がこの間れているようです。果たしてそれはなぜなのか。
それ世界的な不況の中、給料が低くなってきているからでしょう。とくに若者の貧困化は先進国に共通の問題です。
そんな若者が自分の持つものの価値を自分なりに定義し、価値を再発見していくことは生産的な行動でしょう。
そしてこの傾向は大人や老人にも見られるそう。
この本を読んで自分の中に評価基準を持つってことは本当に大事だなぁ。と思った次第です。
好きな人、好きな景色、好きな服、好きな食べ物、好きな場所。
楽しくないといい生活とは言えないと思うので。
No.31「自由からの逃走」
自由からの逃走を読みました。1941年出版、エーリッヒフロムが書きました。
この本は現代における、自由について取り扱っています。誰もが自由に仕事を選べるようになった時代において、仕事に紐付いていた階級意識がなくなり、人は自由を目指せるようになったとともに、自分の居場所を失いました。そこで人は孤独を癒すために他者とのつながりを求め、社会的要請に従うようになります。
この状態をエーリッヒフロムは「消極的な自由」と主張します。
(彼が考える自由の定義の幅広さに驚かずには入られませんでした。。。)
一方、現代は自分の目標を見つけ、その実現のために努力できるようになった時代でもあります。このように自ら行動していく状態を「積極的な自由」と主張しています。
個人の感情が社会情勢に対してどのような影響を与えるのかがテーマですが、緻密な個人の行動分析の中で自由とは何か、自分の生き方についても考えさせられます。
ボリュームは337ページ、内容も複雑で読むのに時間はかかるかもしれませんが、読んで後悔はしない本です。おすすめ。
No.30「プラトン 哲学者とは何か」
プラトン 哲学者とは何かを読みました。
納富信留氏が2002年に書いた本です。
内容は哲学とは何かを問うものです。
プラトンが「ソクラテスと弟子たちの対話」を通してソクラテスという謎に出会い、哲学が生まれたとしています。
ソクラテスという謎とはなぜ、人々を反駁しようとしたのかです。
この頃ソクラテスは知者と呼ばれる人に会っては対話を繰り返し、勇気や徳といった概念について議論を交わしました。
このような行動を取った理由は神に最も知性があるものと言われたからです。しかしソクラテスは自分には知性がないと思っており、知者との対話によって自分が無知であることを神に示そうと考えました。
しかし。。。。。。
ソクラテスは対話する知者を次々を論破してしまう。
例えばクリティアスという当時、の大統領のような人がいました。彼の徳んたいする考え方はプラトンをはじめ多くの人が評価されていました。
つまり、徳について最も多くの人の考えを代弁している人であり、一般的に徳を知る者として捉えられていたのです。
しかし。。。
ソクラテスの「思慮深さとは何か」という問いに対してクリティアスはソクラテスが納得する回答をできませんでした。むしろ彼は対話によって自身の思慮深さに対する矛盾を暴きだされてしまいました。
クリティアスは自分が間違っているという事実を受け止められず、徳への考えを見直しませんでした。その結果、アテナイは衰退の道をたどります。
実はクリティアスの師匠であったソクラテスは政治を腐敗させた責任があるとされ、裁判にかけられ、死刑を宣告されてしまいます。
彼は裁判中、「アテナイの人にとって意味のあることをしているのだから自分は特別の待遇を受ける権利がある」と主張します。
しかしアテナイの人にとっては彼のしてきたことのどこがアテナイの人のためになっているのかがわかりませんでした。
彼は狂ったやつなのではないかとみられ(実際に奇行ととられる行動を取ったことがあった)、プラトンも当時はそんなことを言うのをやめるように説得したそうです。
しかしソクラテスにとっては「アテナイの人にとって価値のあることをしているのになんで辞めなければいけないのだ」という思いがあったのでしょう。そしてこの思いに弟子たちとの対話を文字に書き起こすことでプラトンは気がつきました。
そこで哲学とはよりよく生きるために、自分の知らないことがあることを認め、自分の行動、言動を吟味することがであるというプラトンの哲学の解釈が生まれたのです。
ソクラテスの思いが通じた瞬間でした。信念を持ち、貫き通すことの尊さに気づくことができました。