3日坊主の英会話

僕もサボってても英語できるようになりたいです!一緒に効率のいいやり方学びましょう!

No.29「ビジョナリーカンパニー 時代を超える生存の法則」

ビジョナリーカンパニー 時代を超える生存の法則を読みました。ジェームズ・C・コリンズによって1995年に書かれました。

 

この本は「業界を牽引し、長期にわたって利益を出し続けている企業は他の企業とは何が違うのか」という問いから生まれました。この問いに答えるために、経営者から尊敬されており、かつ業界のトップに立つ会社を業界毎に12社リストアップしビジョナリーカンパニーーと名付け、二番手の会社と比較しました。スタンフォード大学を卒業し、経営コンサルタントとして働きながらドラッカーの教え子でもある、著者が企業経緯から経営理念、人事制度、財務状況、商品力、市場環境など多岐にわたる項目を24社分調査した結果が402ページにまとめられています。経営のバイブル書として多くの人に読まれているのも当然でしょう。

 

ビジョナーリーカンパニーになるために、経営者が心に留めておくべき四つのポイントです。

一、時を告げる預言者になるな。時計を作る設計者になれ。

二、「ANDの才能」を重視しよう

三、基本理念を重視しよう

四、一貫性を追求しよう

 

一つ目の意味は自分で事業を進めるだけでなく、自分がいなくなっても経営者がいなくなっても経営がうまくいくように心掛けよ、です。100年、200年も人間は生きていけません。いつまでも自分が時間を告げることはできないのです。そのためにいつでも事業を導いてくれる、つまり時を告げる時計を作る必要があります。

 

二つ目の意味は「二兎を追って二兎を得よ」ということです。企業理念と利益は相反するものでなく、両立できるものです。企業理念がいかなるものであってもそれを強く信じているのであれば、利益も同時に追求できるはずです。

 

三つ目はビジョナリーカンパニーの根幹となる部分であり、絶対に変わらないものです。これを決める際には「たとえ利益にならなくても、この企業理念に従って経営を行っていきたいか」を問うといいそうです。そしてこれを全社員に浸透させ、人事制度、商品開発、営業、マーケティングからオフィスのレイアウトから社員の一挙手一投足に至るまでありとあらゆるところに反映されるようにしなければなりません。

 

四つ目は企業活動を行っていく際の注意点です。必ず、企業理念にあった方針を取らなければいけません。さもなければ社員は「こんなのでまかせではないか」と企業理念を疑うようになります。

 

確固たる企業理念を定め、それにあった経営を行い、後継者を選び、常に企業理念と利益の両方の実現に没頭する集団を作る。これは経営者だけでなく、マネジメントにも有効です。「何を実現したいのか」、「そのために何をするのか」、「常に危機感を生み出す制度はあるか」、「社員がアイディアを試す場所はあるか」、「制度は企業理念から外れていないか」、といったことに注意し、労働環境を整えていくことで活気のあるチーム作りができるはずです。また個々人を会社に見立てれば、人にも上記の四つのルールを当てはめることができるはずです。 

 

No.28「チーズはどこへ消えた」

チーズはどこへ消えた( Who moved my cheese?)、スペンサージョンソン著、門田美鈴訳を読みました。

 

この本の著者である、スペンサージョンソンさんは、医学博士であると同時に、心理学者でありながら、大学や研究機関の顧問を務め、シンクタンクに参加しています。その功績を認められハーバードビジネススクールの名誉会員になりました。

恐怖を捨て新しいことにチャレンジする大切さについて書かれています。

  • あらすじ

物語はネズミ二匹と人間二人がチーズを見つけたところから始まります。チーズはだんだんとカビていきますが、膨大な量のチーズであったために、油断していた人間二人はチーズが腐っていくことに気がつきません。ネズミたちはチーズが腐りかけていることに気がつき、違うチーズを探しにいきますが、人間たちはチーズが腐っていることに気がつかず、ついにチーズはなくなります。

 

人間二人は絶望し、チーズがなくなった原因探しを始めます。長々と原因探しをし続けたある日、一人はここにチーズがない現実を受け入れ、別のチーズを探しにきます。ながらく同じところに止まっていた彼には長距離の移動はタフでした。しかし一歩踏み出した自分に自信を持ち、新しいチーズを手に入れた時を具体的に想像することで辛く、先の見えない旅程を終え、新しいチーズを見つけます。

 

そこには先に出発したネズミ二匹がいたそうです。

 

この物語から学ぶべきことは7つです。

  • 環境の変化は常に起きていること
  • 環境は永遠に変化するものであること
  • 環境の変化に適応できなければ、絶滅してしまうこと
  • 環境の変化に対応するために
  1. 周囲の環境の変化に気づくこと
  2. 変化を恐れないこと

が重要であること

  • 成功した時の姿を具体的にイメージすることで成功をつかみやすくなること

 

人間は道がゴールに通じていることに多くの時間を割きますが、考えてはいてもどこにも移動はしていません。前でも後ろでも右でも左でも斜め右上でも斜め目左下でもどこかへ進むことに意味があることと現状を変えようと一歩を踏み出す勇気が尊いことをこの本は教えてくれています。

 

30分で読み終わるので是非どうぞ。

 

No.27「大統領の疑惑 米大統領選を揺るがせたメディア界一大スキャンダルの真実」

「大統領の疑惑 米大統領選を揺るがせたメディア界一大スキャンダルの真実」(米題はTRHUTH The Press, the President, and the Privilege of Power)を読みました。著者はメアリーメイプス、訳者は稲垣みどり、です。(敬称略)

 

  • あらすじ

この本はアメリカのCBSニュースのジャーナリストである、メアリーメイプスが行った2004年3月のブッシュ大統領テキサス州兵時代の入隊までの経緯、入隊後の活動、に関する調査報道の真否、報道後のメアリーメイプス、及びこの報道を行ったCBSニュースのチームの処遇について書かれています。

 

2003年から始まったイラク戦争中の大統領はブッシュです。彼は1972年〜1974年までにテキサス州の軍事パイロットであったことから、自分には国民のために戦う者の気持ちがわかると主張していたそう。

 

しかし、彼はテキサス州兵に親のコネ(金と政治力)を使って入った上、健康診断を受けなかったため、パイロットとして飛行し、テキサス周辺の警備に当たるなどの任務をこなすことは所属していた最初の数ヶ月ほどであったことがCBSのメアリーメイプスが属する調査報道チームの調べによって分かりました。1970年代当時はベトナム戦争の最中であったため、多くの若者が徴兵に伴うベトナムでの銃撃戦を避ける手段を探していました。その手段は州兵になることでした。しかし州兵は数十人と限られており、多くの応募者は州兵になることができませんでした。一方、政治力と金を持った若者はコネを使って州兵になりました。その内の一人がブッシュです。

 

この報道が緻密な調査によって明らかになった事実であることをメアリーメイプスは主張していますが、証拠である当時のテキサス州軍の幹部であったキリアンの文書はコピーされたものであったため、文書の内容が100パーセント本当であると言い切ることはできません。一方、調査報道において常に本物の文書が手に入ることは珍しいそうです。

 

メアリーメイプスと彼女のチームはブッシュの州兵入隊までの経緯、入隊後の仕事ぶりに関する報道を行った後、保守系のブログメディアからこのキリアンのメモの書体がその時代よりも後のものであることを理由に事実無根の報道であると非難を受けます。新聞社やテレビ局、雑誌もライバル会社の評判を落とし、自社の利益を拡大するためにこれに便乗しました。またホワイトハウスもこれーブッシュ大統領の評判を危険にさらす報道ーを事実に基づいた報道でないとし、公式の記録において1972年〜1974年の間にブッシュ大統領はテキサスでの勤務を行ったと主張しました。メアリーメイプスの調査では最初の数ヶ月軍務を行った後は父の選挙活動の支援などを行っていたとされています。

 

報道を主体的に進めていたメアリーメイプスは社会からはもちろん、職場内からも白い目で見られるようになりました。バイアコムCBSの役員、自分の企画を受け入れ、番組で流すことを決定した上司でさえ、この報道の正当性に目を向けず、社会からの批判を抑えるために企画者である彼女に責任を追及しました。

 

社内調査委員会(メアリーメイプスに責任があると考えていう役員が任命した)の判断の結果、調査は誤報であったとされ、2004年に彼女は解雇されます。

 

  • 感想

この話にとても感動しました。どこに感動したかというと

  1. 国民の知る権利のために事実を追求する
  2. 仲間、支えてくれる人への感謝する

を行っている点です。「事実」を報道するという強い使命感を持ち、自らの危険を顧みず国民の生活を左右する権限を持つ大統領について調査を行ったことは尊敬に値すべきことだと思いました。根も葉もない批判やジャーナリズムの幾度となく行われる検閲を通過していない、個人のブログ記事に似たものやライバル会社のを潰そうと「疑う」ことを忘れ、ブロガーの記事を拡散する他の大手新聞社やテレビ局、雑誌、社内からの批判を受けてもなお、「真実を報道する」という信念を曲げず、自らの辛い過去と向き合い、この本を執筆したその魂に感動しました。また同じチームで働き、情報提供者へのインタビューを行った、レポーターであるダン・ラザーとの友情は心を打つものでした。40年間、CBSに勤めた彼もこの報道のストーリー、証拠の信憑性を信じており、メアリーメイブスが社会的に批判された時にも、社内から総スカンを食らった時にも、ジャーナリストとしての誇りを守ろうとする彼女を励まし続けました。そんな彼との共闘関係と彼への感謝が本書内のいたるところにあります。苦しい状況でも互いを気遣い、奮い立たせる関係性に仲間の大切さに再確認しました。

 

私企業として公共性が失われつつジャーナリズム、いつでも平等とは限らない社会、自己保身のために裏切る上司、完璧を求めつつも常に完璧でいられない葛藤、信念のために走り続ける勇気、人との出会いの大切さ、を感じさせてくれる一冊です。ジャーナリストを目指す方はもちろんですが、一人でも多くの方にオススメしたい本です。信念と仲間を守る彼女の生き方に衝撃を受けるから。

  

 

※英語版のリンクですみません。日本語版は書店で購入できます。 

No. 26「すべての組織は変えられる 好調な企業はなぜ「ヒト」に投資するのか」

すべての組織は変えられる 好調な企業はなぜ「ヒト」に投資するのか 麻野耕司著を読みました。

 

リンクアンドモチベーションで組織改革コンサルタントを務める著者が「すべての組織は病んでいる」と題し、会社の中で最も重要な組織について論じています。

 

現代の組織の課題はリーダー、マネージャーにマネジメント能力がないことだそう。新卒の離職率が高いこと、うつ病、自殺などが他国と比べて多いこともその証拠の一つとしてあげられます。

 

  • 前提

商品のヒットサイクルの短期化によって、ヒット商品を生み出すヒトが重宝されています。そのようなヒトを雇用できるか、または育てられるか、が企業の成功のカギを握っているのです。一方、アメリカの労働市場を模倣し、成果主義による人事評価が当たり前になったこと、ヘッドハンターや人材紹介会社が転職エージェントサービスを始め、転職インフラが整ったことにより、転職が容易になりました。異なる価値観を持つ個人が給与だけでなく、仕事のやりがいや職場の雰囲気、企業理念などを考慮し、自己実現のために働くことができるようになったのです。

 

このような時勢の中でリーダーはメンバーをマネジメントしていかなければなりません。言われたことを一生懸命にやっていれば成功するわけではなく、他の人の意見を聞きながらも自分で考えて答えを出し、問題を解決していかなければならないのです。

 

その中でメンバーから上司に求められているコミュニケーションの質について以下の5

つの点を気をつけることが推奨されています。

①仲間のウォントを把握する

②犯人探しをしない

③同僚の陰口、悪口は禁止、あるなら直接言う

④仕事を振る時は、意義を伝える

⓹問題を受け入れ、一緒に解決していく姿勢を示す。

 

他にも具体的な事例をあげながら現場で起こっている問題についても考察しています。マネジメントする立場になったら一度、読んでみても後悔しないはず。

 

No.25 「沖縄文化論」

沖縄文化論 岡本太郎著を読みました。

 

この本は1996年に出版された本です。少し古めです。しかし毎日出版文化賞を受賞しており、2世代ほどのジェネレーションギャップがある僕でもとても面白いと感じました。

 

  • なぜこの本を手に取ったのか

書き出しの話につたれたからです。父の事業がうまくいかなくなり、母親と離婚した家庭の息子が自ら父親に殺してほしいと請い、父親が息子を手にかけるという話をどうとらえるのか?という書き出しでした。

 

私はもちろん、酷いとは思いつつ、息子の献身に切ない美しさを感じました。本書上でも息子の献身の美しさを指摘していたので、共感度が高く、どんな本なのか興味が湧きました。

 

  • 実際読んでみて

この本の目的は沖縄の文化を見直し、日本の文化を捉え直す、ことです。沖縄の文化としては、御嶽、古くから伝わる琉球舞踊などが取り上げられています。これらの文化的な営みはすべて生活と密接に関わっています。古くから本州側の役人に税金を納める立場であった沖縄の人たちは台風などの自然災害によって、自分達の生活を害されることがありました。大切に育てていた農作物も台風の暴風雨によってダメになることがあったわけです。これをなんとか防ごうと、御嶽でお祈りを始めたり、豊作を祝い、来年の豊作を願う、琉球舞踊が行われるようになったのです。

 

対して日本文化として私たちが想像するものは京都の金閣寺銀閣寺、奈良の大仏といったものが大半ではないでしょうか。本書ではこれらを日本の文化ではないと切り捨てています。その理由は日本人の生活に根ざしていないからです。これらは中国から伝えられた仏教の影響で作られたに過ぎず、日本人が生活に必要であるから作ったものではない、という点で生活に根ざしたものではない、との記述されていました。

 

日本では地震や火山の噴火などの自然災害で家が壊れたり、食料を捕球できなくなることがありました。そこで自分ではどうしようもできない事態に直面することで世の中に対する無常観が培われてきました。この日本人の根底にある価値観は「生活に向き合ったから」こそ生まれたものであり、今も沖縄の人たちに親しまれている沖縄文化は私たちの忘れかけている姿勢を呼び起こしてくれるものです。文化と対峙する面白さを知ることができました。

 

NO.24「深く早く考える」

深く早く考える 「本質」を瞬時に見抜く思考の技術 稲垣公夫

を読みました。

 

この本は深速思考という思考法についての本です。NECアメリカの副社長を務め、トヨタ研究に造詣が深い、筆者がエンジニア能力を高める研修を行っていたものだそう。

 

深速思考は二つのステップに分けることができます。

一つは原因をマップに整理すること。あることがらが起こった時、その原因をマップにして整理することで

①何が根本的な原因になっているのか、

②原因の中で関係性のあるものは何なのか、

について一目でわかるようになります。

 

二つ目に課題を解決することです。この本では問題の構造の似た課題に対する課題解決の方法をできるだけ、その業界と関係性なさそうな業界から見つけてきて、それを適用することを勧めています。

 

なぜ駅のホームの階段は下りの方が広い場合が多いのか、もしもわからなかったら、この本を開いてみてください。

 

 

 

 

 

No,23「企業内人材育成入門」

企業内人材育成入門 中原 淳 著 を読みました。

 

目次

 

投資に対してどれだけの資本を回収できたか、を示す指標であるROIが重要視される現代において企業における人材育成の重要性が叫ばれています。その理由は人件費が費用の中で最も大きい割合を占めるからでしょう。人の生産性を高めることはROIを高めることに大きく貢献します。

 

ではどうすればROIの高い、つまりハイパフォーマンスの人材を育てることができるのでしょうか。ここでは理論と成功法の取得という観点で企業側が提供できるものについて考えてみようと思います。

 

インストラクショナルデザインとは端的に言えば学習装置のデザインです。最近開発されたもので言えば、インターネット上のアクティブラーニングのようなものを指します。携帯で使うアプリなどがそうです。

 

このようなアプリには学習者のモチベーションを高める工夫があります。例えば、ゲーム感覚で問題がモンスターに見立てられていたり、正解するとメイド服を着た女の子が褒めてくれる、というような仕掛けです。

 

このケースでは知識は外部からの情報を吸収することで得られます。

 

 

  • 実践的共同体

実践的共同体とは社員が働く仕事場のことです。社員が積極的に職場の中で意見交換をすることが前提となっているという点で職場とは少しニュアンスが違います。私たちは人に教えられることでその知識を習得したり、人に教えながら自分のやり方を体系化します。人に教えることが自分の能力を一番高める、ということは実感されたことがあると思います。社内で行うブレストもこの典型的なパターンです。

 

このケースでは知識とは外部とコミュニケーションの中から生み出されるものです。

 

  • まとめ

大きく分けてこの2パターンから知識は生み出されるそうです。インストラクショナルデザインで得られる知識は理論が多く、すぐにOJTで使えるものではないかもません。しかし、フレームワークを知っていれば業務を効率化することができます。この点で理論を学習することも重要な研修です。

 

一方、実践的共同体によって生み出される知識はOJTで生み出されており、現場ですぐに役立つ知識でありますが、いつも有効な結果が得られるとは限りません。学習者が知識を総動員してトライ&エラーと周囲とのディスカッションの中から自分なりの成功法を見つけ出していかなければなりません。

 

  • おすすめ度 ★☆☆

人材関連のお仕事をされている方には★★☆です。人材育成、特にその環境づくり、モチベーション作りについて体系的に書かれています。一方、具体的な方法論はあまり書かれていません。企業によって変わるので方法論を書くことは難しいかもしれませんが。。。教育、人材に興味のない方は読んでも飽きてしまうと思います。